八戸市鮫地区でのNHK受信について #1

 八戸市の鮫地区では、実に色々な電波が受信できます。
 FMなら函館・室蘭・青森・岩手と、デジタルなら室蘭・むつ・上北・八戸などと。

 今回、鮫地区で受信障害がある家がありましたので、NHKに問い合わせてみました。

 鮫地区でNHKデジタルを受信するには、八戸中継局を受信という選択肢がない世帯もあります。代替の中継局として、上北・むつなどの中継局があります。
 しかし、上北中継局は函館のHTB(23ch)、むつ中継局は苫小牧・静内のTVh(42ch)と、異常伝搬を受け受信困難になることがあります。特に春先から夏にかけてのラジオダクトによりデジデジ混信(NHK青森放送局ではDD混信と呼んでいる)が起こります。

 陸奥湾沿岸部と違い、影響がある範囲が狭いので、NHKは特に注意喚起などを行っておりません。陸奥湾沿岸部では、昨年9月に上北外ヶ浜中継局(35ch)が開局して問題が解決したことになっています(同じくDD混信がある民放は開局せず)。

 今回、鮫地区のある世帯がDD混信で受信できなくなるというお話を聞き、筆者が代理で問い合わせることにしました。

NHKの受信障害窓口は電話のみの問い合わせとなっているため、電話でDD混信が発生している旨を伝えました。
 ここで聞かれるのが、「業者にアンテナ設置を頼んだのか」ということです。当たり前ですが、素人がアンテナを建てた場合、「業者にお願いしてください」と返答されます。

 今回は筆者がアンテナを建てていましたが、ハンディタイプですがレベルチェッカー(LCT4)を使用してアンテナを調整していたので、NHKの技術職の方に電話が代わることができました。
 技術職の方は、青森放送局の方ではなくコールセンターの方でしたので、「八戸中継局が受信できないのなら、二戸中継局を受信してください」と返答が来ました。おそらく、出力と距離から推測したのでしょう。このブログを見てくださっている方はお分かりだと思いますが、二戸中継局と上北中継局は総合・Eテレどちらもチャンネルが被っています。そのことを伝えたら、今度はNHK青森放送局の方が折り返し電話をするという返事がきました。
 青森放送局の方は先述の二戸・上北のDD混信を分かっているようで、後日受信調査に行くとの返事がありました。

 受信調査はまだ来ていないので、結果をまた記事にします(金銭の発生有無についても書きます)。

-150309追記-
 調査料金の件で問い合わせしたところ、調査のための料金はかからないとのことでした。
 今週の木曜日に調査をするということでしたが、どうも天気が良くないようです。これについては連絡が来ていないため、予定通りといったところでしょうか。

※八戸市鮫地区では、二戸・上北中継局のDD混信が一番ひどいところです。お金を払ってケーブルテレビで見ている世帯も数多くあります。
二戸方面にアンテナを向けてもワンセグ止まり。上北方面に向ければBERは悪く出ますが、フルセグ受信可能。
八戸市含め南部地方は岩手(二戸中継局)の電波を受信してテレビを観ますので、2方向に向けると、DD混信でどちらも受信不可能になります。
そこでむつ中継局の出番があるのですが、こちらは約90㎞離れているので、電界強度が上北よりも10dBuV低く出ます。しかし通常時は混信がないので、通常時では、ファーストチョイスになります。
最後に八戸中継局は、3.2mのマストを2本以上繋げれば受信できないこともないですが(実際にこのパターンの世帯もあります)、基本的にBERが高くて厳しいです。

-150307追記-
 今回紹介しているお宅では、むつ中継局向けアンテナ1本と40dB型ブースターの使用で、室蘭局の31chと33chがフルセグ受信できます。29chはC/N 14でワンセグ受信となっています。

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コメント

  1. […]  以前、八戸市の鮫地区でのNHK受信について記事を書きましたが、その後実際にNHK(に委託された業者)が調査に来てくれました。 […]

  2. kazu より:

    お久しぶりです。あおもり遠距離受信探求記のkazuです。

    今日、八戸方面に行ってきました。八戸市内や下田などで「二戸mit」が受信出来「岩手朝日テレビ」「IBCテレビ」などが受信出来て「お~やっぱり南部地方は映る局が多くて凄いな」と思いました。

    さて、一般家庭のアンテナにも注目して見ていて気になったんですが、南部地方では二戸mit(岩手波)と八戸局(青森波)はアンテナ一本で受信出来る感じなんでしょうか? あと屋根馬を使ってアンテナを高い位置に設置している理由と言うのは二戸mitを受信するためなのか?それとも地形の関係などがあるのか・・・・ 教えて頂けると嬉しいです。

    • webmaster より:

       kazuさん、返信が遅れて申し訳ありません。

       まず一つ目の質問から。
       八戸市含め南部地方は、アンテナ1本で二戸も八戸もいけます。その場合は基本的に二戸中継局にアンテナを向けるのですが、八戸中継局の電波の質(MERやBER)が悪化する場合があります。それでもマージンがあるので、地デジ化以降はアンテナ1本という家が多くなりました。

       次に屋根馬を使って高い位置に設置するという件ですが、八戸の気候が関係しているのではと思っています。
      八戸など南部地方の沿岸部では、ほぼ通年風が強いという気象条件でして、サイドベースですと強度的にもたないということと、アナログ時代、八戸市以南の南部地方はアナログ時代アンテナが3~4本も設置する家が多かったので、サイドベースではマストを長くしないといけない(=強度不足という一つ目の理由と重なります)という理由で屋根馬設置がほとんどでした。
      デジタル化以降、アンテナは最低で1本(二戸向け)で済むようになり、強度の問題も軽減したため、サイドベース設置の家が急速に増えました。それでも大体80%がサイドベース設置だった津軽地方と比べると圧倒的に少数派ですが。

       3つ目のmit受信のためにアンテナ高を高くしているのかについてですが、
       二戸mitに関しては、ハイトパターンの影響かデジタルではアンテナが高ければ高いほど良くて、アナログでは逆に屋根馬に近いほうが受信状態が良かったということもありました。
       しかし、デジタルではサイドベースくらいの高さでも二戸mitは受信できます(アナログ時代から地形の影響で難視聴地域だった八戸市東部沿岸地区や吹上~糠塚地区周辺を除く)。
       さすがに下田まで北上すると高い位置に設置しないとレベルが上がりませんが。八戸市内で高くアンテナを上げている家は、アナログ時代の名残かもしれません(デジタル化で更新する場合もあえて屋根馬+1.8mマスト×2で十分すぎる受信強度を得ようとしてアンテナを設置する家もあることはありますが)。

       上手に説明できたか分かりませんが、参考にしていただければと思います。

  3. kazu より:

    回答していただきありがとうございました。 後日掲載予定の記事の参考にさせて頂きたいと思います。

    数年ぶりに八戸方面に行きましたが、アンテナ交換をしている家庭が多い印象で1本のマストにアンテナを複数設置している家庭が減っていて少し残念でした。 

    アンテナ1本で八戸局 二戸局が受信出来るとなるとほとんどの家庭が二戸局 mitを受信し見ていると言っても過言ではない状態なのかもしれないですね。

    自宅でも函館向けLS20TMHで青森局も受信出来ますが、やはりアンテナレベルがディーガで50~60までしか上がりません。普段はブロックノイズなど出ないので見るだけなら問題ないのですが、大事な番組を録画する際は切り替えスイッチで青森向けアンテナに切り替えて対応しています。 ミキサーで「函館局 青森局」を混ぜた事もありましたがうまくいきませんでした。

    • webmaster より:

       基本的に南部地方はアナログ時代から二戸mitを普通に観ているのが現状です。その他の局も青森で面白い番組が無いときに観ることもあります。

       どうもPanasonicのチューナーは、ちゃんとアンテナを向けていないとレベルが出ないような気がします。メーカーによって受信感度に差があるのかもしれません。

       遠距離受信局と地元局のMixについてですが、当方でも試してみています。秋田の花輪向け(ラインブースター付き)と二戸向けをマスプロのUU7FLH(23,25)でMixしていますが、ミキサー1つだけだとラインブースターが悪さをして二戸向けの23chに影響が出たため、特定地域向けミキサー(先ほど出たミキサーです)をもう1つ追加してやっと23chの問題は解消されました。
      それでも~23ch(二戸向け)と25ch~(花輪向け)の中間にあたる地元局の24ch(ABA)の受信状態があまりよくないです。これもラインブースターが質の悪い電波を拾うのが原因と思われます。ちなみに、花輪向けアンテナで二戸mitが普通に受信できています。
       ミキサーは奥が深いなと思いました。レベルチェッカーを持っていても上手くいかないことがありますので。
       まとめ買いしていたマスプロのMXHUDと受信調査用に購入していたU146とU206を持っているので、色々と試してみたいと思います。