アンテナメーカー各社から販売されているラインブースター(プリアンプ)の性能比較を行いました。
今回比較対象のラインブースターは、低NF(NF=1dB以下)を謳っているマスプロのUB18L、DXアンテナのU20L3C、サイトウコムウェアのAMP-UKの3商品になります。
それぞれの商品の実売価格は、以下の表の通りになります。
実売価格ではU20L3C<UB18L<AMP-UKの順になっています。
続いて消費電力です。
消費電力もU20L3C<UB18L<AMP-UKの順になっています。
続いて利得です。
利得はU20L3CとUB18Lが最大20dB、AMP-UKが最大23dBになっています。
あくまでもラインブースターという位置付けの商品なので、通常のブースターよりも利得が低くなっています。
続いて定格出力です。
定格出力ではAMP-UKが100dBμVと、地元局の電波が強い地域でも耐えられる値になっています。
続いて雑音指数(NF)ですが、各社ともカタログスペックでは1dB以下と横並びになっています。
カタログスペックを見る限りでは、サイトウコムウェア製のAMP-UKがひとつ頭抜けて優れているようにも見えます。UB18LとU20L3Cは横並びといった具合になっています。
続いては実際に3種類のラインブースターを使用した実測結果となります。
ラインブースターという特性上、雑音指数を重視して計測するため、弱電界の局を受信しています。
また、周波数によって違いが出る可能性があるため、Lowバンド(盛岡局13ch,16ch)、Midバンド(青森局28ch,30ch,32ch)、Hiバンド(むつ中継局41ch,42ch,43ch,45ch,47ch)の3帯域を計測しています。
レベル・MER・BER測定用にマスプロ製LCT4を使用しています。
結果としては、さすが雑音指数が1dB以下と謳っているだけあって、各社大きな違いがありませんでした。
サイトウコムウェアのAMP-UKは、マスプロとDXアンテナのラインブースターと比べ若干利得が大きい結果となっています。UB18LとU20L3Cは同程度の利得が得られています。
MER・BERに関しては、AMP-UKがロー・ミドルバンドで他社より若干優れている印象を受けましたが、やはり大きな違いがありません。
一方でハイバンドではUB18LやU20L3Cのほうが優れている場合もある結果となりました。
マスプロのUB18Lは全帯域ともに安定した結果となり、DXアンテナのU20L3Cはローバンドが若干MERの値が悪い結果となりました。
今回のテストでは、各社ともにレベルの高い製品に仕上がっていることが再確認できました。
特にAMP-UKは超微弱電界での性能に優れています。 ただし、コストパフォーマンスの面においては、マスプロのUB18Lに軍配が上がります。
AMP-UKを使用する場合は、アンテナ高を上げると混信するなど、どうしてもアンテナを高い場所に設置できない時にはかなり有効です。もちろんアンテナ高を稼げる場合でも有効ではあります。
U20L3Cはとにかく安いのが魅力ですが、強電界の局が隣接していると効果が発揮できないため、用途を選びます。
やはり微弱電界でのアンテナ設置の基本は、「見通しの良い場所に建てる」、「アンテナは高性能なものにする」、「アンテナは高いほうが基本的に良い」、「ラインブースターを使用する際はアンテナ直下」の4つになります。
筆者としては、ラインブースターのさらなる高性能化を期待しています。
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