Radio Mobileで遊ぼう! 第4回

 前回は場所の入力を行いました。今回は送信所の出力などを設定していきます。
※今回は参考として青森県の八戸中継局のデータを入力していきます。

 今回使用するボタンは、Network Propertiesです。

ボタンをクリックすると以下の画面が出てきます。この画面は、送信所の周波数などを入力する画面です。実際に使うのは番号が振っている場所のみになります。

①では、名前のラベルを入力します。今回はHachinohe NHKと入力します。
②では周波数を入力します。今回はNHKのシミュレーションをするので、八戸NHK中継局の周波数515MHzを入力します。
③では偏波の切り替えをします。送信所のほとんどは水平偏波なので、この場合は、「Horizontal」を選択します。

チャンネルとは、テレビのリモコンを押した時のチャンネルとは違います。でんぱでーたさんのホームページを参考にして、目標のチャンネルを探してください。このサイトで偏波も調べることができます。

設定すると、以下の通りになります。

次にSystemsをクリックします。場所は以下の画像を参照してください。

①から⑧まで設定します。

①では、先程の①と同じくラベルになります。今回はHachinohe NHKとします。
②では出力を設定します。でんぱでーたさんのホームページを参照した結果、100Wでしたので、100と入力します。
③では34と入力します。
④では0と入力します。
⑤では、送信アンテナのパターンの設定ができます。ここではcorner.antを選択します。
⑥では、ERPを設定します。ERPの計算方法は下に書きます。普段はdBdを使います。今回は15.3dBdとします。
⑦では送信高を設定します。例として14.3mとします。
⑧はそのままでOKです。

 ERPの計算ですが、まずは送信出力(今回は100W)とERP(3.5kW)を用いて計算します。計算ツールは弘前タワーさんのこちらのページから計算することができます。ERPが分からない!という方は、総務省の電波利用ホームページから調べることができます。場所は、Dpaのサイトから市町村を探し出してください。
計算した結果(単位はdB)を⑦のdBdのほうに入力します。

 この次に、送信場所と受信場所を繋げる作業をします。この作業をしないとシミュレーションができません。
以下の画像を参考にして、Membershipをクリックします。

すると、以下のような画面が出てきます。送信場所と受信場所どちらもチェックを入れます。

次に送信アンテナの向き、所謂ビームの方向を下の画像を参考に設定します。今回は315と入力しました。右下は今後のTipsで紹介します。

最後にOKをクリックします。これで送信場所のデータ入力が終わりました。

次回は、実際にシミュレーションをしてみます。

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コメント

  1. 弘前タワー より:

    ぽいふるさん

    ブログ連載「Radio Mobileで遊ぼう!」を拝読しております。設定方法は各々あるかと思いますし、私がHPに掲載している方法(http://www.geocities.jp/hirosakirecorder/radio_mobile.html)も「弘前式」(弘前タワー式)です。あっ、一部誤植がありますが、差し障りない程度ですので、いずれ修正する予定です(笑)

    第4回の記事で『自分だったらこうするかな!?』と思ったことがありましたので、お伝えします。まぁ、某語学教材のように聞き流して下さいな(笑)

    ●「八戸NHK中継局の周波数515MHzを入力します」

    些細な点ではありますが、「515.142857MHz」がいいかも!!
    アナログ放送とデジタル放送とでは中心周波数が異なります。デジタル放送の周波数は総務省「電波利用ホームページ」(無線局検索結果)や、一部の受信機器メーカーの総合カタログに記載されています。メーカーの総合カタログはHPで電子版が公開されてるかと思いますので、参考になさって下さい。

    ●「Parameters」の設定

    「Mode of variability」で「Broadcast」を選択されてはどうかなと思うんです。だって、放送波の模擬計算なんだモン!

    ●「Ground conductivity (S/m)」

    私は、以前お話した『CQ ham radio』誌の記事を参考に「0.002」としてます。

    ●「③では34と入力します。」

    「Receiver threshold (μV)」、すなわち受信機の入力閾値を「34」とされていますが、受像機やチューナーの説明書(諸元)を参考にされたのでしょうか? よく入力レベル欄に「34~89dBμV」と書かれていますので、そのように思いました。ところが単位が異なります。レディオモバイルではμVであるのに対し、説明書ではdBμV。34μVは30dBμVになり、50μV≒34dBμVになるんだそうな…。コアな津軽弁で言うところの「わも よぐ わがねだばて」(私も詳しくは分からないのだけれども)ということで、私は『CQ』誌にならい1μV(0.0dBμV)としています。

    ●「⑥では、ERPを設定します。」

    「Antenna gain」はERPではありません。空中線利得です。私の方法では、送信出力とERPの値から求めた総合利得(dBd)を「Antenna gain」欄(dBd)に入力しています。

    ●「⑦では送信高を設定します。例として14.3mとします」

    14.3mというのは送信柱の高さ、もしくは、ぽいふるさんがお調べに成られた輻射中心高(海抜高ではなく、GLからの地上高)なのでしょうか? いずれにしましても、申し訳ありませんが適切とは言えません…。地図(SRTM-3)の問題があるからです。SRTM-3や国土地理院発行の数値地図(これを複製した「カシミール3D」解説本附属の地図を含む)などはメッシュ地図だからです。土地を格子状に区分けして、その中心点の標高を採るため、放送所のように細かい位置の標高情報は参考になりません。特にSRTM-3は90mメッシュ(1辺90mの格子で区分け)相当ですので、誤差が大きくなります。無論、格子の中心点が上手い具合に局とジャストミートしていれば何も言うことはないのでありますが…。

    例えば、八戸局ABA局舎のGL(地盤面)は、SRTM-3では557mですが、「カシミール3D」解説本附属の地図(50mメッシュ)では553mです。地形図ではおよそ555m。放送事業者が免許申請する際、国土地理院の2万5千分1地形図からGLを算出するといいます。つまり、空中線の輻射中心高はこのGL値から表されることになります。

    例えばですが、輻射中心高が地上から15mの地点であることが分かっていても、そのままレディオモバイルの「Antenna height (m)」欄に「15」と入力するのは適切ではありません。いわば相対的に指定するのではなく、海抜高で絶対的に指定する――。これが私流のやり方です。なので、例えば輻射中心高が600mであるのならば、送信柱の位置(局の位置)の標高を559mとしておき、「Antenna height (m)」欄は「1(m)」とします。

    以上、参考になれば嬉しいです。