送信所訪問、今回は2014年9月に開局した上北外ヶ浜中継局です。
上北外ヶ浜中継局は、上北中継局に併設の中継局です。2014年9月に訪問しています。中継局を開いているのはNHK総合のみです。
上北外ヶ浜中継局は、津軽地方陸奥湾沿岸での受信改善を目的に開局された中継局です。
アナログ時代、当沿岸は青森局ではなく上北中継局を受信している世帯がほとんどでした。電界強度はそれほど強くなく、パラスタックアンテナで受信している世帯が多かったです。
デジタル化の際、デジタルの送信チャンネルが、海を越えた函館局と一部の放送局でチャンネルが重複してしまいました。そのため、春先から秋にかけての異常伝搬が起こるシーズンで、普段函館局を潰して上北中継局を受信していても、函館局の電波が強くなってきて混信が起こり、上北中継局の電波が潰されてしまう現象が発生しました。そのため、昨年度にこの中継局の開局が決まり、2014年9月より送信を開始しました。
送信局のデータから。
送信所の名称 | 上北外ヶ浜中継局 |
送信出力 | 3W |
ERP | 81W |
放送エリア | むつ市、外ヶ浜町の一部 |
受信世帯 | 約-世帯 |
送信アンテナ | 6L2段1面(315°) |
受信元 | 青森局(30PU) |
備考 | 30PU2基あり、片方は放送波(青森局)、もう片方(放送波よりも若干南向き)はTTLか |
※出力・ERPは総務省 電波利用ホームページ 無線局等情報検索を参照、放送エリアは[Dpa]放送エリアのめやすから独自に算出、送信アンテナ、TTLの方向は推定。
出力は3Wですが、1方向のみ+多段送信のため、津軽地方陸奥湾沿岸では上北中継局よりも受信強度が強いと思われます。青森市でも上北中継局よりも受信できるエリアが広くなっています。逆に上北中継局と違い、北東、南東方面のアンテナがないむつ~野辺地、六戸~八戸~階上方面は弱くなっています。とはいっても中継局に近い野辺地町ではフルセグ受信可能です。
デジタル混信対策の中継局ですが、同じく函館局と上北中継局でチャンネル重複のあるATVは置局予定がありません。混信が起こっているのは確かですが、NHKほど強い混信はないのかは分かりません。NHKの混信がひどい原因として、HTB函館局のERPが高いことが挙げられます。ERPは、定格の送信出力よりもアンテナを使って実質的な出力を上げた最大値の電力(W)です(言葉にすると難しくなりますが。)。ERPが高くなればなるほど、違う方向にも漏れる電波が出てきます。
今後、ATVも混信対策の中継局が新しいチャンネルで送信してくるのでしょうが、筆者の願いとしては上北中継局自体の物理チャンネルの変更をしてもらいたいものです。
以下は写真になります。鉄塔中段に2つあるかまぼこみたいなものが上北外ヶ浜中継局の送信アンテナです。
白く太陽が当たっているのが青森局+青森固定局向きパラボラアンテナ、その上の横棒の後ろに金網があるのがNHK-FMの受信アンテナ。
その左に2方向の下向きに向いているアンテナが、上北中継局のNHK送信アンテナです。
送信所のアクセスですが、国道4号の八戸学院野辺地西高校の看板があるところを、青森・野辺地方面からは右折、八戸・十和田方面からは左折(西方向に行く)し、途中から舗装されたりされなかったりの道を通ります。前回(2013年5月)の時と違い、かなり道路が荒れていますので訪問の際はご注意ください。今回(9月下旬)に訪問した時はAFBの送信アンテナ更新の工事をしていたので、1車線しかない道で行き違いをする可能性が高いです。また、冬季はゲートはないものの通行止めとなります。例年では5月いっぱいまで山頂まで車で行くことができませんのでご注意ください。
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上北中継局と上北外ヶ浜中継局のシミュレーションマップ(陸奥湾沿岸拡大)
上北外ヶ浜中継局
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