送信所訪問、今回は2021年6月に訪問した
宮城県遠田郡涌谷町にある涌谷中継局になります。
まずは、送信局データから。
送信所データ
送信所の名称 | 涌谷(わくや)中継局 |
送信所の住所 | 宮城県遠田郡涌谷町下郡字垂氷山道上 (加護坊山) |
周波数 | NHKG:17ch、Eテレ:14ch、TBC:19ch、OX:21ch、MMT:24ch、KHB:28ch |
送信出力 | 100W |
ERP | Eテレ・OX:270W、それ以外:280W |
放送エリア | 宮城県北部の広い範囲 |
受信世帯 | 約141,000世帯 |
送信アンテナ | 4LR2段4面(垂直偏波) |
受信元 | 仙台局(受け方は複数ある模様) |
備考 | Eテレ以外は仙台局とSFN 涌谷FXとしての機能もあり |
※送信出力とERPは、総務省の電波利用ホームページを引用。送受信アンテナの種類や送信方向は外見からの推測です。
宮城県最大の中継局、加護坊山(かごぼうやま)の山頂から少し東側に位置しています。
2006年7月開局の東北初のデジタル新局かつ、デジタル中継局です。
中継局としての機能だけではなく、ここからTTLで送る固定局の役割もあわせ持っています。
そのため局舎も鉄塔も基幹局レベルの大きさです。実際、宮城県北部の基幹局となっています。
ここの見どころといえば、4LRという垂直偏波用双ループアンテナでしょうか。
全国的に見ても垂直偏波送信で100W以上を出す局は数えるくらいしかありません。(有名どころでは神奈川県の平塚中継局)
しかも一部チャンネルを除き親局と大電力どうしのSFNを組む珍しい局です。(このあたりも平塚と共通しています)
もちろん100Wも出しているのでエリアはとても広く、宮城県北部なら本中継局が第一候補になるくらいです。
しかし、SFNや垂直偏波といった特殊な事情もあるのか、エリアの大部分でパラスタックアンテナを使用して受信する世帯が非常に多く感じられました。
受信元は仙台局になるのですが、どうやらTTL受信とエア受けの2種類存在するようで、鉄塔に付いているSHF-TTL受信アンテナとは別に
地面から立っているエア受けと思われるアンテナも確認できました。このあたりは各局のERPにヒントがあるかもしれません。
固定局としての送りも数多く、南方向以外にはTTL送信アンテナがあります。
こちらの取材不足にはなるのですが、この中継局はデジタル化の際に実験用として建てられたのではないかという疑問が出てきました。
その根拠が局舎の大きさと古さ、そして全局共用という点です。
東北で1番最初に開局したデジタル新局というのも引っかかるところがあります。
この点については継続調査します。
最後は画像です。一部ピンボケがありますがご容赦ください。